1.概要
大画面液晶で基板を遊ぶ場合、基本的にHDMIやS端子への変換器が必要なのですが、変換器無しで接続可能な製品があったので紹介します。
駅とかデパートにある業務用電子看板「NEC製 LCD-V422」です。
42インチでヤフオクで10000円以下で売られています。
この液晶、凄い事にJAMMA基板信号(15KHz,RGB(S))にも対応しています。
※1:現在販売されている一般的なPC用液晶モニタは15KHz信号やRGBS形式に対応しておらず、配線しても表示できません。
業務用電子看板なので縦置きにも対応しており、STGゲーマーには垂涎の品だと思います。もちろんHDMI端子もあるので、PS4などのゲームモニタとしても機能しますし、チューナを着ければテレビにもなります。
今回は紹介と接続方法についてのメモです。
2.この製品のメリット・デメリット
2.1 メリット
(1)大きい(42インチ)
(2)安い(ヤフオクでは1万以下。定価は高いです)
(3)入力端子が豊富(HDMI/S/RCA/VGA/RGB)
リモコン(NEC RU-M117)があれば一発切替できます
D端子、DisplayPortはありません。
(4)JAMMA基板信号(15KHz,RGB(S))を変換無しで入力できる
2.2 デメリット
(1)重い:20Kg程度あるので設置は大変です。
(2)台・チューナ・リモコンが付いていない
それぞれ買う必要があります。
台は35kgまで耐用可能な製品を使用
(3)内蔵スピーカーはおまけレベル
別途買う方が満足感が良いと思います。
(4)ゲーミングモニタに比べると遅延がある(6ms)
気になる人は参考に。
(5)HDMIは1端子のみなのでHDMIセレクタが必要
これも買えばよいです。
(6)PC入力だと映像の端部分が一部切れる
画面設定では対応できませんでした。
(7)基板接続にはケーブル作成が必要
直結だと輝度が高く、色調節でも対応できません。これについては後述
※2 調節前と調節後(左側はカラーバーの階層が潰れています)
3.JAMMA基板との接続について
接続するためにはケーブルを作成する必要があります。
3.1 概要
(1)入力端子はBNC端子なので、RCA変換端子を使う
(2)ケーブルに可変抵抗を付ける必要がある。
(固定でも可。150Ω-300Ω程度の可変か150Ω固定)
(3)映像設定の調節は必須
3.2 必要なもの
(1)BNC-RCA変換端子(500円くらい)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00PBMYQRK/
(2)RCAケーブル(よくあるビデオ用の3本ケーブルでOK)
(3)可変抵抗×3
3.3.接続ケーブルの作成方法
(1)RCAケーブルを切る
RCAケーブルのピン4本分のケーブルを切ります。
切ったRCAケーブルの芯線を、JAMMAハーネスの各RGBS信号端子に接続します。
外側の線をJAMMAハーネスのGNDに接続します。
RGBの線のみ中間に可変抵抗を通し、150Ω-200Ω程度の抵抗値になるようテスタで測りながら調整します。
むき出しは危ないので、この後ケースに入れました。
(3)RCAケーブルとBNC変換端子をディスプレイの背面に接続
背面のBNC端子にRCA端子変換を付けて、RGBに対応する線を挿します。
SyncはRの上の端子に付けます。なお、オーディオについても別途接続が必要です。
CPS2は直接オーディオRCAが付いてるのでそれを使用しました。
4.結果
基板に電源を入れ、外部入力「RGB/HV」(リモコン⑤)を表示します。
で、動作しました。
可変抵抗がないとキャラが明るすぎて見えませんが、
可変抵抗があるとキレイに出ます。
あとはOSDの映像設定で上下位置や比率調節をする必要があります。
(左が抵抗素子なし、右が抵抗素子あり)
はんだ付け等手間はかかるのですが、大画面液晶で基板を動かす選択肢としては安くて満足度が高い製品だと思います。
他メーカでも15KHzに対応した液晶はあるのですが、JAMMA基板の複合Sync信号に対応してたのは、扱いやすいと思いました。
デメリットで一番大きいのはとにかく重いことですね。
リビングTVとして使うことを考えれば、あまり場所は取らない気はします。
縦回転できる台はさすがに高いので諦めました。
5.参考資料
NEC製 LCD-V422 メーカHPおよびマニュアル
https://www.nec-display.com/jp/display/old/model/lcd-v422/index.html
他に同型50インチ製品や後継機もあるようです。
以上